アジアの壁

〜 アジアカップ予選リーグ vs サウジアラビア  〜

2000年10月14日


世界大会が終わってすぐにアジアの大会。この1ヶ月はサッカーファンにはこたえられない。

 

 

いやぁ本当に楽しい。

 

 

さて、サウジアラビア戦。

 

 

試合前。日本は世界を経験したということ、さらにここ最近の世界との戦いを見てアジアではある程度抜きんでた存在だと客観的に見て思っていた。

 

 

ただ心配だったのは、アジアの壁。

 

 

どーしても中東への苦手意識、また世界といくら戦えても戦い方の違うアジアを勝ち抜くことの困難さ、いろいろ考えてしまいそう簡単には行かないと思っていた。

 

 

特に初戦はここ何年もアジアではトップに位置するサウジアラビア。簡単には勝たせてもらえないだろう。

 

 

しかし、その心配はあっけなく覆された。

 

 

ほんとあっけなかった。

 

 

弱い。サウジが弱く感じる。

 

 

もちろんサウジのコンディション不良や、世代交代をしたばかりの若いチームだといったことはあったのかもしれない。

 

 

それにしても差がありすぎる。

 

 

強さ弱さというよりはサッカーの質が全然違う。

 

 

日本は中盤で、というよりDFを含めた全ポジションで1タッチ2タッチのパスがぐるぐる回る。

 

 

パスを出す選手ともらう選手だけでなく、その周りの選手がさらに先を見越してフリーのスペースへ動き、そこへボールをほとんど自動的に近い状態で出していく。まるで次にどこへパスを出すのか決められているトレーニングを見ているようだ。

 

 

そんな流れの中で、サウジが引いているにも関わらず日本は得点を重ねる。

 

 

1点目。DFの森岡と明神のパス交換から始まったその攻撃は、前方の柳沢へのフィードを森島に落とし、それをダイレクトで逆サイドの俊輔へ。そして俊輔のクロスの瞬間、森島はファーへ柳沢はニアへ流れるように移動し、森島のヘッドでの折り返しを柳沢が決める。

 

 

柳沢のプレーにやや偶然的なところがあったが(モリシへの落としと最後のシュート)動きの質は高く、DFから途切れることの無いつなぎからのフィニッシュはまるでマンチェスターUかと思うほどだった。

 

 

2点目は名波のカットからのスルーを豪快に高原が決めた。

 

 

名波のスルーもすごかったが、ノートラップで打ち抜いた高原のシュートはワールドクラスといっても差し支えない。当然のことだがワールドユースの頃と比べると凄みが加わってきた。

 

 

3点目は柳沢の突破からの折り返しを名波がget。

 

 

そして4点目は小野が抜け出して1対1を冷静に決める。

 

 

欲しいところで点を確実に取ることが出来る、といった評価もあるが、得点そのものよりも得点チャンスを作り出すDFも含めた組織的なサッカーがすばらしい。しかも選手が変わっても質が落ちず、新たなコンビネーションを見せてくれる。

 

 

まさにレベルが違う。

 

 

最後の1失点はいただけないが、そんな細かいことを吹き飛ばしてしまうほどの内容だった。

 

 

アジアの壁はもうそんなに高くないのかもしれない。


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