進化する代表
〜アジアカップ準決勝 vs 中国〜
2000年10月27日
ボラ・ミルチェノビッチ。
なかなかやるなー。結構いい監督かもしれない。
ただトルシエとは全然違う。まぁ、相手が日本だから仕方なかったのかもしれないが、相手のいいところをつぶしに行くサッカー。
トルシエは、たとえ相手がブラジル、フランスでも自分達のサッカーを貫くタイプ。自分でもそういっているし、事実相手チームの分析をして対策を立てることをしていない。
個人的にはトルシエの方が好きだなー。
さて、中国戦。
いやー、久しぶりにTVの前でたちっぱなし(笑)。
アジアカップでこんなに気合の入った試合を見せてもらえるとは思わなかった。なにせここまでが楽勝ばかりだったし。
中国は前半から日本のいいところを消してきた。全員が自陣内に引いて、日本のDFには自由にボールを持たせる。しかし、中盤にボールが入ったところにはファールも辞さない厳しいプレスをかけ、前線へのフィードには身長を生かしてはじき返す。
中盤でファールされてしまうので、なかなかボールが前に繋がらず厳しい展開。
しかし、そんな中でも日本は打開策を持っていた。俊輔の大きなサイドチェンジ。トルシエが望んでいたのはこういうプレイだったのだろう。俊輔のロングフィードは確実に精度が上がっている。
右サイドでフィードを受けた高原が1バウンドをダイレクトで中央にボレー。中では森島がヘディングの体制で待っていたところへ中国のDFがクリアしようと突っ込んできてオウンゴール。
記録はオウンゴールだが、借りにDFがいなくても決まっていただろう。俊輔、高原、森島のイメージがぴったりと一致した得点だった。
しかし、中国は強かった。ボールのキープ率こそ低いが、体格生かしたカウンターが鋭い。ボールを奪った後のすばやいサイドへの展開からの逆サイドへのセンタリングをヘッドで折り返しそこへ走りこんで同点ゴール。
服部、森岡、松田がボールウォッチャーになってしまい、折り返しのケアが出来ていなかった事が失点の要因だが、それ以上にゴール前での体格を生かした戦法が非常に有効だった。
その後も、回数は少ないが中国がボールを持って攻めあがると何か起こるんじゃないかという恐怖感に襲われる展開が続く。
そして、後半開始直後に明神のバックパスをカットされドリブルシュートが松田の足にあたり、川口の上を越えてゴールしてしまう。
予想外のビハインド。しかも先取点を取って楽勝かと思われたその直後からの逆転。完全にミルチェノビッチの戦術にはまった負け試合のパターン。
しかし、ここからが今までの代表とは違った。五輪、アジアカップと自信をつけてきた証拠か、それともトルシエの戦術に選手が自信を持っている証拠か。中国の中盤でのプレスが甘くなってきたこともあるが、それ以上に日本のギアがトップに入った感じがした。
中盤でのパス回しが早くなり、サイドチェンジと中央突破を使っての攻撃が続く。
そして、ゴール前でのFK。この大会トルシエが言う様にセットプレーからの得点はPKよりも率がたかい(?)。俊輔のキックは絶妙の高さに飛ぶ。中国のGKに触られてポストにあたり、跳ね返ったところに西澤のダイビングヘッド。あっさりと同点。
さらに攻めつづけ、左サイドを起点としたパス回しから右サイドの高原に渡り、ポストプレーでペナルティエリア外にちょんと出したパスを明神がゴール左サイドネットに打ち込んで逆転。
そしてこの後、またギアをセカンドに戻す。余裕の戦い。
終了間際に川口がエリア外に飛び出てドキッとする場面があったが、それでもリードを余裕を持って守りきり試合終了。
全般的に中国は身体能力が高いが、ボールの扱いにおいては日本代表のには遠く及ばず、監督の戦術によって脅かされた感じ。
それにしても代表は成長していると感じた。攻めると決めた時間帯になると全員の意識がそれに向かって統一されぺースが上がるが、逆転した直後から急にまたもとのペースに戻る。
この試合中のペース配分と攻守のメリハリは、サッカー強国のそれと変わりない。これこそが日本代表の進化した証では無いだろうか。
フラット3の失点の多さを気にする声もあるが、4バックなら失点しなかったのか?そんなはずはない。確かに0点で押さえる試合もあるだろうが、2点取られる試合もある。(前大会のクェート戦みたいに)
そう考えると、できれば今のコンセプト「相手より1点多く取るサッカー」を目指して欲しい。
決勝戦は、復活したサウジとの再試合。調子が上向いており、厳しい試合になるだろう。稲本もいないし。
しかし、今の代表ならやれるはず。
ぜひ優勝して、アジアNo1の自信をつけて欲しい。
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