驚きから確信へ

〜W杯 グループリーグ 日本 vs チュニジア〜

2002年6月14日


残念だ。

 

 

フランス、アルゼンチンに続いてポルトガルまで消えてしまった。

 

 

ジダン、ジョルカエフ、デサイー、テュラム、アンリ、トレゼゲ、プティ、ビエラ、バティストゥータ、ベロン、クレスポ、C.ロペス、シメオネ、オルテガ、フィーゴ、ルイ・コスタ、パウロ・ソウザ。

 

 

世界的に有名な選手達の競演がここで終わってしまうなんて・・・

 

 

韓国とフランスの親善試合でジダンが故障してしまってから狂ってしまったのかもしれない。そしてポルトガルにとどめを刺したのも韓国。

 

 

ある意味今大会の主役を演じているといえるのかもしれない。

 

 

さて、本題。

 

 

わが日本代表も念願の決勝トーナメント進出を果たした。相手は大会前からHグループ再弱と呼び声の高かったチュニジア。

 

 

大会に入ってから、ロシアには負けたがいい戦いをし、ベルギーには引き分け、しかも勝てば決勝リーグ進出の可能性を残して調子を上げつつ日本戦に挑んできており、簡単な試合にはならないだろうと予想された。

 

 

前半、その予想は的中し、0−0で終える。試合内容的には日本が圧倒的にボールをキープし、ほとんどチャンスらしきチャンスを与えない。時折見せるカウンターにも、3バックはラインを上げすぎず、2ボランチが早めにチェックし危険な芽を摘み取っていた。しかしながら、日本はベルギー戦、ロシア戦と同様に前半はリスクを犯さず、早めにFWにロングボールを入れてこぼれだまを狙う戦法で安全な試合運びを選んでいた。

 

 

前半終了間際には戸田のペナルティエリア内での際どいプレーがあったが、審判の的確な判断で事なきを得た。

 

 

後半開始時に驚いたことにトルシエは2枚のカードを一度に切ってきた。一つは柳澤に変えて森島。もうひとつは稲本に変えて市川。ポジションは稲本の位置へ右サイドの明神を移動させて、そこへ市川を入れるというパターン。おそらく、決勝ラウンドに向けて、稲本と戸田の両者が累積イエローで出場停止になるのを避けたと見られる。

 

 

 

そしてその交代は開始早々にいきなり効果を表す。

 

 

中田の縦へのスルーパスを相手DFがクリアミスし、ゴール前にボールが転がる。その瞬間に相手DFの後ろからするするっと飛び出した森島がゴール左サイドネットへ向けて見事なシュート。

 

 

相手DFのミスとも言えるが、常にこぼれだまを狙っているモリシらしい、抜け目の無い動きからのゴール。

 

 

その後も、圧倒的なボールキープから右サイドの市川を使った攻撃が冴える。市川のセンターリングを森島がヘッドで左ポストに当てる惜しいシュートもあった。

 

 

そして後半も残り15分ぐらいになり、再び市川からゴール前のGKと最終ラインの間に絶妙のクロス。そこへヒデが走りこみ豪快なヘッドが決まる。

 

 

これで勝負あった。時折見せるチュニジアのカウンターも一人での単発攻撃なので最終ラインで落ち着いて対処できていた。

 

 

この試合で、日本は確実に世界レベルへと近づいているということを確信した。

 

 

ベルギー戦、ロシア戦での戦いだけでは、フロックという事もありうる。最後のチュニジアに確実に力を見せてこそ、日本のレベルアップを証明できると考えていた。

 

 

そういう意味では、パーフェクトな試合だった。

 

 

死者のグループと揶揄されたHグループ。確かにトップクラスのチームは入っていない。しかし各大陸予選を突破してきたチームに確実に勝ち点を上げていくことは難しい。楽勝と見られていたフランスやポルトガルがグループリーグで敗退していったことがそれを証明している。

 

 

そんな中で、日本はHグループでは確実に力が上であることを見せつけた。どの試合も、相手に攻められて守りを固めるという場面はほとんど無く、3試合を通して力の差を感じさせられることはほとんど無かったどころか、十分に世界レベルで通用することを確信することができた。

 

 

日本の攻撃サッカー、中盤を制するサッカーが世界に通じるという事を3試合で証明することができたと言えるだろう。

 

 

3試合を通じて、成熟した試合運びが出来る日本代表を見ることができた。4年前までは考えられなかったことだが、試合を通じての戦略が明確になっている。前半はゲームを殺し、そして後半に動かす。ゲームの殺し方などは、日本もこんなゲーム運びが出来るようになったんだと感心しきり。中盤で相手にキープをさせず、こちらがボールをキープしても中盤での横パスなど危険な場面は避けて早めにトップにロングボールを入れる。これを続けていれば、カウンターを喰らうことも、そしてベルギー戦の様にオフサイドトラップを破るような縦パスを入れられる危険性もぐっと減る。

 

 

日本の高温多湿になれていない外国勢はこれだけでもかなり参ってしまうようで、後半にはがっくりと動きが悪くなる。そこをねらって、本来の日本のゲーム運びである、パスゲームに戻せば中盤は好き放題に支配できてしまう。

 

 

今までの親善試合では見られなかった試合運び。狡猾という他無い。

 

 

そして、さらに感心したのは、日本代表23人のほぼ全員が試合に参加しているという事実。3試合で出場していないのは、GK2人を除けば西澤と秋田の二人だけ。

 

 

トルシエの言う「試合をはじめる11人と試合を終わらせる11人」という言葉がここで意味を帯びてきている。

 

 

ロシア戦では、1点リードを守りきる事を目標とし、前線からのチェックを厳しくするための中山、サイドのカルピンを押さえるための服部、そして激しい運動量から足がつり始めた稲本に変わり福西。

 

 

チュニジア戦では、膠着した状態から点を取りに行くことを目標とし、マークの厳しい柳澤に変えて、ゴール前をふわふわと浮遊しフリーになることが得意な森島、左サイドの小野が押さえられているため右サイドから攻撃するための市川。そして疲れの見えるヒデに変えて小笠原。

 

 

まさに全員で戦っているといえる。

 

 

どのグループでも1次ランドを突破するために、累積警告や怪我人等多少なりともの犠牲を払ってきているが、結果として日本はグループリーグを出場停止無く、また森岡を除き大きな怪我人無くベストのチーム状態でクリアしたといえる。

 

 

 

さて、次は強敵トルコ。確かにブラジルよりは勝てる可能性が高いとはいえ、近年のガラタサライの活躍を見てもわかる様に、急激に力をつけてきている国だ。

 

 

簡単に勝てるとは思わないが、ここから先は自分達の力がどこまで通じるのか純粋に試して欲しいというのがサポーター、ファン全体の思いだと思う。

 

 

ワールドユースでのびのびと戦った若いメンバーが決勝まで行ったように、簡単では無いだろうがのびのびと自分達の力を世界に示して欲しいと心から願う。

 

 

次は18日だ。


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