『銀河英雄伝説』
『戦記シュミレーション』と区分されるのは 大抵が太平洋戦争のイフ小説なのだが この手の小説を読んでいていつも不思議に思う事がある。 何故、アメリカとの争いに『新兵器』が必要なのだろうか? 目的は『国益の確保』であって『戦争に勝つ事』ではない。 争いの原因が『中国市場の確保』ならば折半で済ませても良い筈である。 その意味で個人的にこの手の小説を『戦記物』と呼ぶのには躊躇いがあり、 個人的には幼少の頃に流行った 戦う事自体を目的とした『ヒーロー特撮』と大差がないと思う。 少なくとも今回紹介するこの小説に比べれば 『戦争の目的』を本当に理解しているのかと首を捻ってしまう。 活気のなかったSFの世界に新風を巻き込み、 この手の小説としては異例なまでの人気を誇り、 ちょっとしたレンタルショップなら必ずビデオ化された作品が置いてある程、 メジャーな『銀河英雄伝説』のストーリーを今更説明する必要もないと思う。 だが一応確認の意味で書き記して置くと 遠い未来(千年以上先)に銀河系に進出した人類は 専制主義国家と民主主義国家に分裂して 激しく、且つ惰性的に抗争を繰り返していた。 そんな中、両陣営に傑出した軍事的才能を持つ人物が同時期に現れ、 この二人を軸に停滞していた歴史は大きく動き始める。 通常、こういった類の『未来』を取り扱った作品は大なり小なり 『新発明』が登場するのだが、『銀英伝』にはそう言った要素は殆どない。 (一度だけダイナマイトをモデルとした発明品が登場するが) 戦争シーンに関する限りメインとなるのは 『智略』であって奇天烈な武器が戦局を一変させる訳ではなく、 その点では地味な作品と言えるかも知れない。 だがそれ故にこそ小説本来の面白味が強調され、 他の『シュミレーション小説』とは違って広く一般受けするのだと思う。
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