史記英雄伝
「史記」。そう、司馬遷のかいあた中国で最初の正史である。伝説の時代から司馬遷の生きた漢(「かん」である「おとこ」ではない)の武帝の時代までのことが紀伝体(人物の伝記によるもの、それまで歴史書は編年体という年ごとにおきた出来事をかいていくというものであった。)でかかれているのである。そしてこの史記英雄伝はその史記を題材にしている歴史RPGである。攻略本の巻末企画に作者の言があったがそれによると、歴史RPGをつくったのは、ただゲームをやっているときが楽しいというだけでなく副次的なものを得ることができるということらしい。作者はスポーツを例にとり、スポーツをしているのはやっているのが楽しいというのもあるが、スポーツマンシップが得られるとか、健康によいとかの特典があるからだという。歴史RPGもそういうものを求めてのことらしい。つまり、ゲームを愉しむだけでなく何かのプラスアルファを求めてということである。そして、どこの歴史を題材にするかという段になって、日本史は大河ドラマチックってなまなましいのでボツ、西洋史は結局従来のRPGとかわらんのでボツ、三国志はですぎているのでボツということらしく、史記にしたらしい。作者いわく「中国史で一番面白い時代」ということなので、穿った見方をすれば最初からこの時代をセレクトするつもりで他のやつのボツの口実をこじつけたのかもしれない。
さて、史記といってもその舞台は長い。作者がセレクトした時期は秦による中国統一前夜である。主人公はただの村の少年である。仲間には魔法使いキャラのリンショウジョ(趙に使えていた人、「刎頚の仲」の故事や「完璧」の故事で有名な人)や、始皇帝暗殺で有名な剣士・荊カ、主人公の姉の息子でのちに始皇帝になる政などがおり、後は全部オリジナルキャラがパーティーに加わる。また、食客システムがあり金を払って仲間をつくることができる。オリジナルキャラには「張羽」と「関飛」などあきらかに三国志の有名キャラの名前を組替えたものなどがいる。特筆すべきは豆仙人というキャラクターで、ヒットポイントは異様に低いがマジックポイント(このゲームは魔法ではなく気孔である)が異様に高いというキャラクターである。このゲームでは戦闘に参加できるのは三人なので後のメンバーは待機要員となる。彼はそのマジックポイントの高さを生かしてまさに動く薬品倉庫であった。
私は例によって友人に借りてプレイしたのだがタイトル画面のショボさにはチトがっかりした。なんかRPGツクールでつくったゲームみたいだったからだ。そして、名前をつけてプレイ開始。主人公の村に兵士がなだれこんできて主人公は傷ついた兵士から巻物を渡され逃げるという話。逃亡中に敵と遭遇。戦いを挑むも俊殺されゲームオーバー。一緒にかりておいた攻略本をよむと、「勝ち目はないので逃げろ」とある。RPGの主人公はおうおうにして強いものだがこのゲームはさすがにリアルだ・・・。そして、再プレイ。逃げつづけることに成功。このゲームなぜか逃げても経験値が結構はいる。レベルアップまでするし。その後謎の老人の手引きによって脱出し、その老人のところで気孔の修行をつむことになる。
修行・・・。なにをするかと思えばパズルである。一つは「石ならべ」という平面ルービックキューブである。こいつは結構難しい。次に石盗り、これはあるルールにのっとって石をとっていき最後の一個を取った方が負けというものである。必勝パターンをつかめば楽ちんである。老人いわくいずれ何かの役にたつそうだ・・・。
さてそれから、南の港へむかって進んでいくのだが雑魚キャラ強いです・・・。普通に闘ってたら抹殺されます。さらに、港まで結構距離あるくせに体力回復する施設が一切近くにない。そればかりか、ストーリーが始まってここにくるまでセーブするところがないので敵にやられると最初からやりなおし、パズルにもう一回挑戦になってしまう。はっきりいって敵が強い割にサポート施設がないのできついです。というかゲームバランス悪すぎ。
さて、このゲーム実は敵を撃破しても金が手にはいらない。どうやって金をかせぐかといえばアイテムを売却するのだ。アイテムの中には換金用のアイテムというのもある。これらを売るわけだが、売るときは言い値で取引するのだ。つまり相手が最初に料金を提示するのでそれを参考に自分で値段を決めるのだが、面倒なだけ。だって二倍の金額提示しても買ってくれるわけないし(ちなみにこういうことをすると1度店をでないと取引に応じてくれなくなる)。だいたい落ち着くラインはきまっているのではなからその金額で買ってくれたほうが楽である。物語中盤からこのレートがあがるのだが、一切そういう情報はえられないので攻略本頼みということになる。
さて、このゲームの最大のうりであるパズルに戻ろう。パズルのほかにもなぞなぞなどがあるのだが、どれもはっきりいって難しい。百から一をひいた門にはいれとあったら、「白い」門にはいらなければならないなど、面倒なものが多い。さらに修行でやったパズルがダンジョンの途中などにあるのだが、修行のときのものよりも巨大なパズルになっており必然的に難しくなっている。かといってセーブポイントとか気のきたものがあるのではなく、敵は強い。パズルに集中してほしいんならもっと敵を弱くしてくれ。ダンジョンが長くてかなわんよ。ボスもしっかりいるしね。そして何より困るのがパズルに何の説明もないものがあること。たとえばマップチップをどかして目的のマップチップを手前にもってくるパズルなどはボスを倒すと突然その場面にきりかわる。なんかの水を求めてきたわけなので水のマップチップをなんかするのはわかるが、もう少し説明くれてもいいんじゃないか? パズル要素をいれるんならセーブポイントとかつくったり、敵を弱くしたほうがいいんじゃないか? ダンジョンクリアするのに時間がかかりすぎるよ。
さらに攻略本よまんと分からん要素がふんだんに盛り込まれている。つまりそのことに関する情報が全くないのだ。たとえばあるボスは女性が嫌いなので女性に攻撃をしてこないとか、あるボスは兄のギョクタイを見せるとおびえるとか、そういう事実があるのに全くそれに関する情報がないのだ。最近のゲームは攻略本を買わんと完全クリアできないが、こいつはその極みである。最後につけ加えておくと大陸東の海上に蓬莱山というものがあり、そこではより難しいパズルが楽しめるらしい。私はロープレをやりたいのであってパズルをやりたいのではない。最終調整が甘いのとパズルという面倒な要素のためシナリオ本来の面白さが味わえないのが残念である。シナリオ自体は史記に登場する様々な人物(時代考証を無視して)がでてくるので面白いのだが・・・。
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