| 蒼き狼と白き牝鹿4・チンギスハーン |
チンギスハーンって・・・、マムルーク朝と関係ないのでは? と思われるかもしれないが、コーエー(三国志シリーズや信長の野望シリーズを世に送り出している)発のこのゲームはまさに、マムルーク朝でプレーできる歴史シュミレーションゲームである(パソコン版「とプレーステーション版がある)。
このゲームの秀逸なところは、舞台がユーラシア大陸+北アフリカ(アトラス山脈以北)そして周囲の島々(イギリス・日本・フィリピン・インドネシアなど)であり、カバー範囲は非常に広い。
シナリオは二本(パワーアップキットという別売りの拡張ソフトで四本に増える。これはパソコン版限定)ある。
一本目は1189年・・・この年はチンギスハーンがまだモンゴル統一をなしていない(モンゴルにはチンギスハーン含め三勢力が鼎立している)のだが、世界史的には非常に面白いことになっている。中東世界ではアイユーブ朝君主サラディンがおり、ヨーロッパでは第三回十字軍の主力メンバーである神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ二世(バルバロッサの異名を持つ男)や、フランスのフィリップ二世(尊厳王の異名をもつ)、イギリスのリチャード二世(獅子心王・ライオンハーテッドキングの異名をもつ)などが存在している。第三回十字軍は中東まで進出しようとしたものの、バルバロッサが途中で死亡してしまったため、成果をあげることなく終わってしまっている。また、東に目をやれば源平の合戦は終わっているものの、日本には鎌倉政権と奥州藤原氏が並存しており、奥州藤原氏のもとには源義経がいる。
つまり、魅力的な「英雄」がたくさん存在している年代であるのだ。もし、これが一年、二年後の設定になっていたら、バルバロッサや源義経はもうこの世にはいない。
二本目のシナリオは1271年。一本目のシナリオから80年後の世界である。当然、チンギスハーンや先ほど述べた英雄達はみないなくなってしまっている。この時代の主役は元の皇帝でありチンギスハーンの孫であるフビライハーンである。南宋はまだ元の支配下にはおかれておらず、これからフビライによる南宋攻略・元寇が行なわれていくわけである。日本には北条時宗、後にフビライに対し反乱を起こすオゴタイ・ハン国のハーン・カイドゥ。イギリスにはエドワード一世、インドにはアレクサンダー大王の再来といわれたハルジーがいる。
さて、中東に目をやれば、エジプト・シリア・・・そう、シナリオ1でアイユーブ朝が支配していた場所にはマムルーク朝が存在している。君主は第五代スルタン・バイバルス。戦闘能力はトップクラスである(手下にはカラーウーンもいる)。
パワーアップキット(先ほども述べたがパソコン版限定)のシナリオも紹介しておこう。
追加シナリオその1は1229年。モンゴルの君主はオゴタイ・ハーン。その部下には弟のトゥルイや兄・チャガタイ、ヨーロッパ遠征で活躍するバトゥ(キプチャクハン国の開祖)、トゥルイの息子である、モンケ(モンゴル帝国第四代ハーン)、フビライ、フラグ(イルハン国の開祖)、アリクブカ、オゴタイの息子グユグといった強力なメンバーが揃っている。ここからモンゴルはその版図をさらに広げていくことになる。シナリオ2では、モンゴル帝国諸国はバラバラの勢力になってしまっているので、一集団モンゴルでプレーできるメリットは大きい。
ちなみにこのシナリオの中東地区には、年代を重ねるとバイバルスが登場する。
追加シナリオその2は1370年。シナリオ2から数えても100年も後の世界である。ここではの主役はなんといっても、ティムールである。モンゴル帝国復活の夢をなすことができるか!? 東方には元を滅ぼした(この時点では元はまだ滅びていないが)明の朱元璋、中東地域にはオスマン・トルコが登場し、マムルーク朝はシャアバーンが治めている。その部下にはバルクーク(ブルジー・マムルークの始祖)がおり、バフリー・マムルーク朝の終焉とブルジー・マムルーク朝の交替の時期であることを知ることになる。
シナリオは以上のとおりであるが、先にも述べたようにバイバルスの戦闘能力は非常に高い。ただ数値が高いだけでなく戦闘特技も強力なものを習得しているので非常に使い勝手がよい。マムルーク朝のあるエジプト・シリアはゲームにおいても豊かな土地であり、豊富な農作物や資金を保持している。イルハン国を滅ぼし、ヨーロッパ諸国を震撼させ、世界統一をなすことも十分可能である。また、マムルーク朝でプレーするだけでなく、追加シナリオ1でアイユーブ朝でプレーしてマムルーク軍団を指揮するのも面白い。
ゲームのタイトルはチンギスハーンであり、中心はモンゴル帝国におかれているわけだが、モンゴルの活動エリアがまさに世界規模であったために、ゲームの舞台は大きくなり、結果としてマムルーク朝が登場することができた。
ただ、シナリオ開始時の人物配置などはいいのだが、だんだんと先細りになっていって、最後には実在武将が少なくなり架空武将が幅をしめるようになっていってしまう。世界統一が最終目標であるため、クリアにはどうしても年数を重ねざるをえない。ゆえに先細りしないように、人物をもっと追加していただきたいと思う。先にも述べたようにゲームが世界規模なので追加するとなるとキリがなくなって収集がつかなくなってしまいそうだが・・・。
しかし、非常に残念な話だがコーエーは、もう「蒼き狼シリーズ」はださないということである。未だに人気があるというのに無残な話ではあるが。
また、前作にあたる「蒼き狼と白き牝鹿3・元朝秘史」でも、マムルーク朝やバイバルスは登場する。ただ、この作品ほど高い評価をうけていないのであまり強くはない。さらに「元朝秘史」は国が比較的容易に滅びていくので、いつの間にか世界地図がコンピューターの手によって乱れに乱れてしまうという自体がよく発生する傾向があり、「チンギスハーン」ほどお薦めというわけではない。ただ、マムルークが使用できる数少ないゲームではある。
ちなみに「チンギスハーン」の詳しい情報は「激動!ユーラシア」さんにいってくだされば得ることができる。このコンテンツをつくる際にも大いに参考にさせていただいた。
|
|